ニューヨーカーは挨拶を返さない? 日本の「いらっしゃいませ」に困る? アメリカZ世代が感じた“挨拶”のカルチャーショックとは?

「ニューヨークと日本カルチャーショックあるある話(挨拶編)」。アメリカのZ世代が感じる、各国の“挨拶”にまつわるカルチャーショックについて話し合っていきました。

「ニューヨークと日本カルチャーショックあるある話(挨拶編)」。アメリカのZ世代が感じる、各国の“挨拶”にまつわるカルチャーショックについて話し合っていきました。

4月からInterfm で放送中のワイド番組「ON THE PLANET」。水曜パーソナリティの綿谷エリナが担当するコーナー「ON THE PLANET NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、モデレーターでミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

3月30日(水)のテーマは、「ニューヨークと日本カルチャーショックあるある話(挨拶編)」。アメリカのZ世代が感じる、各国の“挨拶”にまつわるカルチャーショックについて話し合っていきました。

各国の挨拶に対する考え方の違い

「NY Future Lab」メンバーのノエは、現在フランスのパリ在住。ニューヨークとパリでは、人々が持つ“挨拶”に対する意識が違うと感じているようです。

ノエ:パリではすごく普通で当たり前なんだけど、お店に入るときに、お客さんとお店の人は挨拶し合うの。知らない人同士でも、どこで会っても、同じ場に居合わせたら挨拶するのが当たり前で、いつも「こんにちは、元気?」って言い合ってる。

ニューヨークで働くミクアは、職場ではお客さんに対して、まず「こんにちは」と話しかけることになっているそうですが、たいていのお客さんが挨拶を返さずに、いきなり自分の聞きたいことを質問してくると話します。

ミクア:そこで私が「Hi」と言うと、「あっ、ごめんなさい。Hi」と慌てて答えるお客さんもいる。挨拶を返さずに、スタッフに何かを頼むのは失礼だと気付くみたい。

ノエ:僕が言いたいのはそれ。でも、ニューヨークだとそんなに失礼だとも思わないんだよね。そもそもお客さんに挨拶する店員も少ないから。

シャンシャン:ニューヨーカーはマナーがなっていないってことなのかな?

ノエ:マナーが悪い人も多いけど、それ以上にニューヨークは生活のスピードが早すぎるからでは? 人が歩くスピードもかなり速いしね。

ドイツ出身のパーソナリティの綿谷は、「ドイツだとパリのように、お店で並んでいるときに知らないお客さん同士でも『おはよう』って言ったりしますよ」とコメント。モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「ニューヨークだとお店の人と話す人は少数派」だと話しますが、マナー意識が低いというわけではなく、ノエの話すように「生活のスピードが早すぎるから」だと推測します。

綿谷によると、ヨーロッパは挨拶には厳しいムードがあるようで、挨拶を返さない人に会うと「あの人、挨拶を返してくれなかった!」と後ろ指を指されてしまう傾向があると話しました。

「いらっしゃいませ」に戸惑ってしまう?

一方の日本では、店員とお客さんのやり取りで「こんにちは、お元気ですか?」などと話すケースはかなり珍しいですが、「NY Future Lab」のメンバーによると、日本独特の“挨拶文化”にかなり困った経験があるようで……。

シャンシャン:「牛角」というレストランに行ったときに、スタッフが全員で私に向かって「いらっしゃいませ!」って叫んだの。びっくりして怖かった。

メアリー:日本に行ってお店で「いらっしゃいませ!」って言われるたびに、どう答えればいいか困っちゃう。「こんにちは」って言ったほうがいいの? 何も言わないほうがいいの? しばらくして慣れてきたら「無視していいのかな」って思うようになったけど、これは間違っていないかな?

最初は戸惑ったというメアリーですが、「会釈」で返すことを今は覚えたと話します。これにノエも「日本では『会釈』は役立つよね」とうなずき、日本出身のヒカルも「会釈は俺もよくやる」と同意していました。

ヒカル:無視してどんどん(店内に)入っていく人もいるけど、やっぱり気まずいなって思う。

ノエ:会釈はいいよね。「あなたの言うことをちゃんと聞きましたよ」という表現でもあるし、「こんにちは」の意味合いでもあるし。何も言わなくても、すべてが伝わる便利なジェスチャーだよね。

シェリーは「ニューヨークでは挨拶をしない人も多いとはいえ、店員さんに『Hello』や『How are you?』と声をかけられたら、返すと喜ばれたり、扱いがよくなったりします」とアドバイス。綿谷も「確かに、一歩踏み込む“パワーワード”のような気がしますよね」とうなずきました。