同じ競技でも女性スポーツ選手の報酬が低いのは問題? スポーツ界の「男女格差」にアメリカZ世代が思うこと

「世界銀行が発表した賃金を含めた男女格差について」。男女の賃金格差について、アメリカのZ世代が話し合いました。

「世界銀行が発表した賃金を含めた男女格差について」。男女の賃金格差について、アメリカのZ世代が話し合いました。

アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、モデレーターでミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

3月23日(水)放送のテーマは、「世界銀行が発表した賃金を含めた男女格差について」。男女の賃金格差について、アメリカのZ世代が話し合いました。

スポーツ界の男女賃金格差

先日、世界銀行が発表した男女格差ランキングで、日本は去年の80位から103位にランクダウン。アメリカは35位で、先進国の中では低い部類に属します。その理由の一つは、男女の賃金格差。

男女の賃金格差が最も小さいベルギーでは、男性の賃金100に対し、女性の賃金は96。アメリカは男性100に対し、女性が87。日本は男性100に対し、女性が77という結果になりました。

そんななか、アメリカの女子サッカー選手が「国際試合に出るときには、男子と同じ報酬を受け取るべき」と訴えた訴訟に勝ったというニュースが報じられました。「NY Future Lab」のメンバーは、このニュースをどう受け止めたのでしょうか?

ノエ:ものすごく重要で注目すべきことだと思う。アメリカでは男子より女子サッカーのほうがずっと盛んだし、国際的なレベルもずっと高いから。

シャンシャン:私も重要だと思うし、勝訴したことを知って嬉しかった。なぜならアメリカにはまだまだ大きなジェンダーギャップがあるから。いまだに理解できないのは、なぜ性別でそんなに大きな違いが出るのかということ。サッカー選手に限らず、女性はあらゆる職業で男性よりも給与が低い。

メアリー:驚いたのは、看護師の給与も男性のほうが高いこと。だって女性は伝統的に「世話をする人」と考えられてきたのではないの? あと、「女はキッチンで料理すべき」という考え方があるのに、プロのシェフになると男性が圧倒的に多いし、男性のシェフのほうがかっこいいという風潮がある。

パーソナリティの綿谷は「アメリカだと、看護師の給与も男性のほうが高いんですか! 知らなかった!」と驚きを隠せない様子。モデレーターでZ世代評論家のシェリーは、現場の意見なので職場によって異なるケースがあるとフォローしつつ、「こうして見ると、みんなが男女の賃金の不公平感を抱えながら生きているんだな、というのがわかりました」と話します。

「人気スポーツ」だから高収入は当然?

ラボのメンバーたちは「男女の賃金格差はなくなったほうがいい」と考えているものの、スポーツの世界の話となると話が違うのでは? という意見も。ここではスポーツ選手の報酬について意見が入り乱れました。

ノエ:でも男子サッカーに限っては、世界的に見るとヨーロッパや南米選手のレベルが極めて高いよね。

メアリー:だから彼らが非常に高い報酬をもらうのはわかる。ファンの数も世の中の関心もずっと大きいわけだから。

男女の待遇の違いはバスケットでも問題になったけれど、ある男性がネットで「女子バスケの報酬が安いのは当然。誰も女子バスケなんて観たい人はいないからね」なんて言っていた。でも逆に言えば、男子スポーツのほうが人気なのは、膨大な広告によって作られた結果という考え方もできると思う。

ノエ:そうかも。逆に考えると女性サッカー選手の報酬だけではなく、もっと広告にもお金をかけて、より世の中の注目が集まるようにすれば、ずっと楽しめるものになるのでは?

ヒカル:ただ男と女には生物学的な違いがあるよね。男性のスポーツのほうが観ていて面白いのは、やはりずっと激しかったりするからではないかな。

ノエ:それも確かにあるけど、もっと女性のスポーツならではの別の魅力を引き出す方法もあるのでは?

「(女性スポーツの魅力が引き出されていないのは)歴史が浅くて、広告も少なく、お金もあまりかけずにやってきたから。選手の報酬を上げたり、広告を増やしたりしていけば、女性スポーツも面白くなるんじゃないか」と話すシェリー。

今、話題になっているスポーツ界の賃金格差を是正することは「女性にとってメリットがあるというだけではなく、スポーツ界全体にとっても大きなビジネスチャンスになっていく」と、今後に期待を寄せました。