TOKYO FMで放送中のワイド番組「ON THE PLANET」。水曜パーソナリティの綿谷エリナが担当するコーナー「ON THE PLANET NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。
3月10日(水)のテーマは、「アメリカは女性差別の国?日本は?」。日本とアメリカの社会におけるジェンダー差別について、NY在住のZ世代の若者たちとディスカッションを行いました。
日本の問題は「政治の多様性のなさ」?
3月8日は、国際女性デー。アメリカでは3月を「Women’s History Month=女性の歴史月間」とし、女性に対する意識を高める運動や催しが行われています。
世界経済フォーラムが発表した2020年のジェンダーギャップ指数を見ると、日本は国際的にみてもかなり低い121位ですが、アメリカも53位と先進国の中では下位に位置します。アメリカのZ世代は、日本のジェンダーギャップにどのような印象を持ったのか、「NY Future Lab」のメンバーにインタビューしました。
メアリー:日本はいまだに男性が支配する社会に見えるけど、違うかな?
シェリー:どうしてそう思ったの?
メアリー:日本にはいまだに「女性は家にいて、男性が外で仕事をして家族のためにお金を稼ぐ」という固定観念がある。女性が仕事を持ったとしても、「女性だから」という理由で高い地位に行くことが難しいのでは? と思うけれど、どうかしら?
ヒカル:日本はトップにいるのが80代だから、なかなか社会が変わらないんじゃないかな。
シェリー:でも、アメリカのバイデン大統領も70代よね?
ヒカル:大統領周りの人間が若いじゃないですか。日本はトップが70代、80代(で固まってしまっている)。
このインタビューを受け、シェリーさんは「年齢が問題なのではなく、(政治の担い手が)『年長の男性ばかり』という多様性のなさが問題」と指摘。綿谷も「同じ考えの人間が集まりすぎているのかもしれないですね」とうなずきます。
バイデン政権は85パーセントが「ダイバーシティ」
先ほども話題に出たバイデン大統領ですが、バイデン政権の85パーセントは「ダイバーシティ(多様な人材)」、つまり白人男性以外の人物が登用されています。副大統領のカマラ・ハリス氏をはじめ、初めての女性の財務長官や黒人の国防長官など、多様な顔ぶれが並びます。
政治家のダイバーシティについて、ケンジュは「いろいろな意見が入ってくるから、物事が同じまま続くわけではなくなる」とコメント。カマラ・ハリス氏が副大統領に就任したことについて、メアリーは「副大統領になったのは素晴らしいけれど、そこにいるだけで国民全員が認めたわけではない」と前置きをしつつ、「それでも様々な人が代表として国民に見えているのがとても重要だと思う。人々がそれを見ることでインスパイアされて、未来に繋がる」と語りました。
一方で、こんな意見も。
テツ:カマラはバイデンが勝ったから副大統領になれたわけで、アメリカではまだ女性が一度も大統領になっていない。
シェリー:それはなぜだと思う?
ケンジュ:アメリカが女性差別的な国だからだと思う。アメリカで女性が参政権を得てから100年は経つのに、1人も女性の大統領が生まれていないというのは、そういうことなんじゃないかなと思う。
「日本から見ればバイデン政権は多様性があり、一見いろいろなことが進んでいるように見えるけれど、若い世代は『まだまだ』と感じている」とシェリーさん。アメリカでは「稼ぎ手が女性」という家庭が4割を占めるそうですが、女性のリーダーの少なさや、男女間の賃金格差などが問題視されているとも解説しました。