幼い子どもたちがコスメショップに殺到!?  Z世代の後継「アルファ世代」の最新トレンドは“スキンケア”

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

2月16日(金)のテーマは、「2024年スキンケアのトレンドはアルファ世代が作る」。「NY Future Lab」のメンバーが、アルファ世代(2010年代序盤以降に生まれた世代)のスキンケア事情について語りました。

Z世代のスキンケア事情をチェック

今回はZ世代の次の若い世代「アルファ世代」に注目。Z世代が12歳から26歳までを指す世代に対し、アルファ世代は11歳以下を指す世代です。

新しい世代が10代に入り、少しずつアルファ世代の特色が判明してきた昨今。Z世代から見ても、スキンケアや美容に対する意識が大きく違うことが判明しました。

まずは、ラボメンバーにZ世代のスキンケアについて聞きました。

シャンシャン:私のスキンケアは刺激が少ない洗顔料、保湿剤、化粧水、そして日焼け止め。外出するときは日焼け止めが必須だよね。紫外線はかなり有害だから、今は家にいるときも日焼け止めを塗っている。40歳とか50歳になってもきれいな肌でいたいからね。

ミクア:私の肌はとてもオイリーで、特に最近はニキビで悩んでいる。食べ物の影響なのか、睡眠不足やストレスのせいなのか、何が原因かわからない。だから、今はできるだけシンプルなスキンケアにしている。

敏感肌なので、洗顔料は日本で買ってきた「ソフティモ」。それから、皮膚科でレチノールを処方してもらったので、夜はそれを使っている。

シャンシャン:私もできるだけシンプルにしているよ。ミクアと同じで、ニキビができるんだよね。誰かが言っていたけど、人は特定の年齢に達するたびに、何度か思春期のようなホルモンの変化を経験するらしいよ。だから、今のように20代になったばかりの時期は、大人の思春期みたいなものらしい。

ちょっと高級なスキンケア製品もたくさん持っているんだけど、全部使うのをやめたんだ。あまり効果もなさそうだから。どんなものがあるか見せようか? まずはTatcha(タッチャ)のクリーム。

ミクア:お~。高級品ね。

シャンシャン:それから、セラムの「アドバンスドスネイル」。

ミクア:カタツムリのセラム。今トレンドの製品だよね。

シャンシャン:あとは、ディオール。

ミクア:ディオールってスキンケアを出していたの? 知らなかった。

ノエ:僕は「パーフェクトホイップ」の洗顔料を使っているよ。

ミクア:私も好き。4種類違うのを持っている。

スキンケアに気を配っているZ世代。特に、大気汚染や温暖化の影響から、紫外線対策にも気をつけていることが分かります。Instagramの2024年トレンド予想によると、Z世代が美容でもっとも重視するのはヘアスタイルで、次にスキンケアとのこと。

Z世代評論家のシェリーは「(Z世代は)肌を綺麗に保つことが重要だと考えています。男性も20代からスキンケアをしていますし、時代とともに(スキンケアをする)年代が下がってきています」と説明しました。

アルファ世代がスキンケアに興味津々なのはなぜ?

アメリカの2024年スキンケアの最新トレンドはZ世代ではなく、実はアルファ世代が生み出していると話題を集めています。

アメリカのセフォラというコスメ専用のチェーン店に押しかけているのは、なんと8歳から10歳くらいのアルファ世代。まだまだ幼い子どもたちがスキンケアに夢中になっている現状について、ラボメンバーたちが思いを口にします。

シャンシャン:子どもがスキンケアを紹介するSNSがすごい。まず化粧水に始まって、ビタミンCとかいろいろな成分が入っているさまざまなスキンケア製品をどんどん紹介しているの。私が13歳くらいのときなんて、顔を濡らしてタオルで拭いていただけだったのに。

ミクア:そういうのがTikTokにあふれていて、大きな問題になっているみたい。小学生がセフォラのショップに行って、レチノールやエクスフォリアントのような、もっとずっと年上の人向けの強い成分を含んだ製品を買っているんだよ。小学生には、そんなの必要ないでしょう? 肌に問題なんかないんだから。

だけど、彼らはSNSでインフルエンサーが使っているのを見ると、自分も欲しくなってしまう。だから、お店に年齢制限や規制を設けるべきかどうかっていう問題にもなっているんだよね。

シャンシャン:企業は何もしないだろうな。売れればいいと思っているだろうから。

ミクア:たとえば、「The Ordinary」や「The INKEY LIST」といったセフォラの人気ブランドは、けっこうお手頃な価格なんだよね。だから、たくさんの人がそれを使って、TikTokに投稿している。それで、スポンサーを獲得したりしているよ。

シャンシャン:インフルエンサーもそうだけど、ニキビや吹き出物ができた自分の写真って、SNSに出さないでしょう? だから、思春期を迎える前、もしくはまっただ中の子どもたちは、そういう有名人を見ると「彼らの肌は完璧で、ニキビも何もできてない。肌の質感も完璧。私も同じスキンケアをすれば、完璧な肌になれる」って思うよね。

ミクア:子どもが10代になって大人になりかけの時期って、体が変化し、声が変わり、男は髭が生え始めたりと、すべてが変わる。それってすごくぎこちないというか、恥ずかしさも感じる時期でしょう? だけど、今の女の子たちはそういう中途半端な時期を経験しないんじゃないかな。

スキンケアやメイク、ファッションもだけど、より大人っぽく見せているよね。甥っ子のSweet sixteen(自立の一歩として16歳を節目にお祝いするイベント)のパーティに行ったとき、「私が彼らの年の頃と全然違う!」って驚いた。14、15歳なんだけど、もっとずっと年上に見えた。

アルファ世代の子どもたちはインフルエンサーのような美しい肌に憧れを持っており、ニキビ対策にも積極的。InstagramやYouTubeなどで得た知識を活用し、居心地の悪い思春期をすっ飛ばして「素敵な大人」を目指しています。

アルファ世代の子どもたちが、大人向けスキンケアブランドに夢中になっている状況に、ラボメンバーは驚いている様子でした。大人向けの強い成分が入ったスキンケアは子どもの肌によくないという問題が発生していますが、ラボメンバーの反応は「売れればいいと思っているから企業は何もしない」と冷ややかです。

一方で、アルファ世代に人気を集めているDrunk Elephant(ドランク・エレファント)というスキンケアブランドのマーケティング戦略が注目されています。もともとはお肌にハリや弾力を与えるということで大人に人気の製品でしたが、少し前にInstagramで「うちの製品は子どもでも使えます」と宣言。子どもが避けるべき製品をリストアップしながら、子ども向けの(肌にやさしい)スキンケアを打ち出しています。

スキンケアにハマる要因の1つとして、コロナ禍のロックダウンが影響しているのではないかと分析するシェリー。「パンデミックで外に行けなくなり、子どもにとってはネットの世界が楽しみじゃないですか。そういう背景もあって、今の20代ぐらいの人たちよりもスキンケアにハマっていく流れになった、そういう世代なのかも」とアルファ世代の特徴を述べ、話題を締めくくりました。