コロナ禍でメンタルに向き合う人々が増えた? アメリカで人気の「メディテーション」

「アメリカの若い世代に人気のメディテーション」。ヘルスケア目的のメディテーション(瞑想)が人気な昨今ですが、NY在住のZ世代の若者たちはどのように捉えているのでしょうか?

「アメリカの若い世代に人気のメディテーション」。ヘルスケア目的のメディテーション(瞑想)が人気な昨今ですが、NY在住のZ世代の若者たちはどのように捉えているのでしょうか?

TOKYO FMで放送中のワイド番組「ON THE PLANET」。水曜パーソナリティの綿谷エリナが担当するコーナー「ON THE PLANET NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

2月17日(水)のテーマは、「アメリカの若い世代に人気のメディテーション」。ヘルスケア目的のメディテーション(瞑想)が人気な昨今ですが、NY在住のZ世代の若者たちはどのように捉えているのでしょうか?

コロナ禍で「変化を内側に求める」動きが加速?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、誰しもが思うように外出ができなかったり、家族や友人、恋人に会うことができなかったりした2020年。2021年に入ってからは世界でもワクチン接種が進みつつあり、出口が見えてきましたが、シェリーさんは「18〜24歳の4人のうち3人は、メンタルが厳しい(状態にある)」と、コロナ禍で疲弊しきっている人々が多いと解説します。

対面で誰かと触れ合うことが減ったり、イベントなどが制限されたりして、「毎日同じことを繰り返すだけ」の単調な日々を送りがちになってしまうのが現状。シェリーさんによると、こうしたなかで、変化を自分の外側ではなく、内側に求める動きが広がりを見せているそう。「特にパンデミックで内省的になっている若い世代の間で広がっている」と語りました。

メディテーションの取り入れ方

こうした人々が変化を自分の内側に求めるために選ぶ手段の一つが「メディテーション」。アメリカではメディテーション人口が増えており、大人の14%が「一度はメディテーションをしたことがある」と答えているのだそう。

「NY Future Lab」メンバーのキサラも、新型コロナウイルスによる自主隔離期間が始まったころからメディテーションをしていると話します。

キサラ:私がメディテーションをするのは、特に自分が不安定なとき。自分の心がどうなっていて、自分がどこにいるのかを知るためにやる。普段は朝と夜に10分ずつやっています。

シェリー:どういう風にやっているのかな?

キサラ:基本は、自分の呼吸を聞くこと。息を吸って吐いて、そして自分の周りの音を聞く。手のひらを上に向けてやると、エネルギーが入ってくるのを感じます。

シェリー:そうすると、自分の中で変わった感覚はある?

キサラ:変わるときはすごく変わる。メディテーションをやる前は自分がすごく混沌として混乱しているけれど、やった後は調子が戻ってきて、自分がどんな状態かわかってくる。

テック系企業にも大人気

感染拡大を収束させるまで「あともう少し頑張ろう」と思う一方で、「もうメンタルが限界だ」と感じる状態のことを、壁に例えて“Pandemic wall(パンデミック・ウォール)”と呼ぶこともあるのだそう。アメリカではこうした“Pandemic wall”に当たっている人に向けて、メディテーションを勧めるメディア記事も多く、メディテーション用のアプリも大ヒットしているとシェリーさんは話します。

綿谷が「アメリカのIT企業も、メディテーションを推奨している印象があります」と発言すると、シェリーさんは「メディテーションをすると脳の働きが活性化されて、仕事にも良いってことらしいんです」とコメント。GAFAをはじめとするテック系企業でメディテーションが人気になっていると話しました。

いまだかつてないほど、人々が自身のメンタルに向き合っている、このコロナ禍。シェリーさんは「Zen(禅)という言葉が『リラックスしている、心が平和な状態になっている』という意味のスラングとして、もう10年以上前から使われています。これからの時代にますます必要とされるものだと思います」と締めくくりました。