アメリカの若者は「NARUTO」「のんのんびより」に“日本の文化”を感じている? アニメ人気の実態にフォーカス!

「アメリカZ世代が選ぶ『日本を世界に伝えるアニメ』」。世界に広がる日本文化の一つであるアニメについて、NY在住のZ世代の若者たちと話し合いました。

「アメリカZ世代が選ぶ『日本を世界に伝えるアニメ』」。世界に広がる日本文化の一つであるアニメについて、NY在住のZ世代の若者たちと話し合いました。

TOKYO FMで放送中のワイド番組「ON THE PLANET」。水曜パーソナリティの綿谷エリナが担当するコーナー「ON THE PLANET NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

5月19日(水)のテーマは、「アメリカZ世代が選ぶ『日本を世界に伝えるアニメ』」。世界に広がる日本文化の一つであるアニメについて、NY在住のZ世代の若者たちと話し合いました。

「ポケモン」以来の快挙!

2021年春、アメリカでは「鬼滅の刃 無限列車編」が興行収入ランキングトップを記録。新型コロナウイルスの流行で、他の大作映画があまり上映されていなかったという理由もありますが、日本映画がアメリカ興行収入のトップを記録するのは、1999年公開の「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」以来の快挙です。

2020年には、世界全体でのNetflixのアニメ視聴回数が倍に増加。シェリーさんによると、「おこもり需要はもちろんあったのですが、ストリーミングが世界にアニメ人気を広げているのは間違いない」とのこと。Netflixの他にも、Funimation(ファニメーション)やCrunchyroll(クランチーロール)といった、さまざまなストリーミングサービスでアニメが再生されているそうです。

日本を代表するアニメって?

「NY Future Lab」のメンバーに、「日本を代表するアニメ作品は?」と質問を投げかけました。メンバーのケンジュが選んだのは「NARUTO」。作中の舞台「木の葉の里」に伝わる“火の意志”を、上の世代から下の世代へ受け継いでいく姿に日本らしさを感じると話します。

ケンジュ:あとは、彼らが厳しいモラルを守ってるところ。友だちを大切にするとか、日本ならではの道徳観につながっていると思う。

ヒカル:ルールを守るとかそういうところっていうのは、日本というよりも、昔あった忍者の掟みたいなものでは?

シェリー:うーん、そうかな。他には何かある?

ケンジュ:日本って学校とかキツいじゃん? みんな頑張って試験とかを受けて、ナルトも忍者になるために試験があって、そういうところも似ていると思う。

夏休みに日本での生活を経験したことのあるミクアは、そのころの体験を思い出すアニメとして「僕だけがいない街」を挙げます。

ミクア:個人的な経験だけど、小学校の環境がすごく似ていると思う。アニメで登場人物が食べているのと同じ食べ物を私も食べたことがあって。カレーライスとか……。このアニメを友だちと観ていたとき、友だちがお母さんに「カレーライス食べたい! 作って!」とリクエストしたら作ってくれて、一緒に食べて盛り上がったの。

この話を聞いて、シェリーさんは「『NARUTO』はポケモンと並んで、アメリカの子供みんなが観て育つ作品。本当に普通に観て育つので、もしかしたら子供達が最初に体験する日本文化と言ってもいいかもしれません」とコメントしました。

アニメで表現された日本人の精神

他のメンバーよりも、アニメに詳しいメアリーが挙げたのは「のんのんびより」。とある田舎の学校に通う女の子たちの生活を描いた日常系アニメですが、メアリーは「日本の子どもの深層心理を表していると思う」と話します。

メアリー:日本人は他の国の人よりも、自然との結びつきがとても強いと思う。例えば、すべての石や木に魂が宿っている……というようなことを彼らは言うでしょう?

シェリーさんも「実際に、日本の子どもは他の国よりも自然と強く結びついて、いわゆる『神がいろんなものに宿る』みたいな感覚は日本の特色なんじゃないかなと思う」とうなずきます。アメリカの若者はアニメの劇中に出てくる食事や自然など、様々な要素から日本を感じているのだそう。

最後にシェリーさんは今後Netflixで公開される、戦国時代に実在した黒人武士を描いた作品「YASUKE -ヤスケ-」を紹介。「アメリカ人、そして世界の人がこれまで以上にアニメを観るきっかけになるかもしれない」と締めくくりました。