Z世代のキーワード「セルフケア」アメリカZ世代の7割が「メンタルケアが必要」と回答

「セルフケア」。「NY Future Lab」のメンバー各々がおこなっているセルフケアについて語り合いました。

「セルフケア」。「NY Future Lab」のメンバー各々がおこなっているセルフケアについて語り合いました。

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

5月26日(金)のテーマは、「セルフケア」。「NY Future Lab」のメンバー各々がおこなっているセルフケアについて語り合いました。

自分自身を大切にするのが「セルフケア」

アメリカではここ数年、「セルフケア」がキーワードになっています。日本でも2023年のZ世代のキーワードとして「セルフケア」が選出されており、注目度はじわじわと上昇中。

Z世代はセルフケアに関心が高い世代だと言われていますが、その理由は「コロナ禍」がきっかけです。パンデミックの最中に、自身のメンタルなどに向き合う機会が増えたことがきっかけで、Z世代の7割がセルフケアに目覚め、6割が以前よりもセルフケアに時間を割くようになったと答えています。

そもそもZ世代にとって、「セルフケア」とは何なのでしょうか? ラボのメンバーに聞いてみました。

ケンジュ:「自分を大切にケアする」ということだよ。ちゃんと食べて眠る。肌のお手入れもする。健康でいるために、これまでしなかったことを、自分のためにするということだと思う。

メアリー:居心地が悪かったら、「それをそのままにしないようにしよう」というのもセルフケアだよね。特に不安を感じやすい人は、嫌な思いをしてもなかなか口に出して言えないでしょう。だから一歩進んで、「居心地が悪い」と言うこともセルフケア。

もし、今やっている仕事が、体だけではなく心も壊してしまいそうだと感じたら、「もうやらない」と言えるような自信を持つことも、セルフケアだと思う。メンタルも含めて、自分の体と健康を最優先にすることがセルフケアだよ。

ミクア:セルフケアは、前回話した「ボディ・ポジティブ」とも繋がっていると思う。自分の身体に自信がなかったら、「サイズが不安だから」と食べる量を減らして不健康になってしまったり、自分の肌の色が嫌いだから、漂白剤が入ったクリームを塗ったりと……それってとてもよくないことだと思う。

でも、自分と同じような体型や肌の色の人がCMやテレビ番組に出ているのを見ると、自分に自信が持てるようになって、それもセルフケアに繋がっていくと思う。

セルフケアとは、「自分にとっていいことを、自分のためにする」「自分を最優先にする」「自分自身に自信を持って、好きになる」こと。決して「人のことを蔑ろにする」という意味合いはなく、「自分自身を大切にする行為」のことを指します。

モデレーターでZ世代評論家のシェリーは、「例えばお母さんは子どもを最優先にして、自分のことを蔑ろにしてしまう……ということがあると思います。しかし、自分を大切にできない人は、他人も大切にできないですよね」とコメント。

調査によると、アメリカのZ世代の7割が「メンタルケアが必要」と答えており、そうしたメンタルケアの一環としてセルフケアを実行している人が8割を超えているとのことです。

「自分を受け入れて許す」のもセルフケアの1つ

「自分自身を大切にする」というセルフケア。具体的な行動例としては「日記をつける(気持ちを書き留めることでメンタルに目を向ける)」「エクササイズをする」「趣味に没頭する」「休みを取る」などが挙げられますが、ラボのメンバーにどのようなセルフケアをおこなっているのかを聞いてみました。

ケンジュ:友達と一緒にジムに行く。十分な睡眠を取る。特に仕事のために睡眠を削らないようにする。

ミクア:私は自分がいつもいい気分でいるためにセルフケアをしている。自分が健康だと感じられなかったら気分は良くないし、それだとベストの自分でいられないから。そういうときは何かを変えようと思うの。私がジムに行くのも「体型をよくしよう」という意識よりも、スタミナをつけて、心も強くして、もっとエネルギーを出すため。

食べ物にも気をつけるようになって、外食をしなくなった。今は外食費が高いというのもあるけど、外食をするとなんだか不健康な気分になるから。私にセルフケアが必要なのは、いつも自分がベストな状態だとは感じることができないから。

メアリー:最近始めたのは、自分自身をチェックすること。心の内面で何が起きているのか、どう感じているのか、なぜそう感じるのか、何が嫌な気持ちにさせているのか。そういう脳の働きというか、そういうことを書き出して考えてみる。放っておいて、ただ問題を悪化させるのではなく、気分を良くするために。

ヒカル:僕は基本的には何もしない。セルフケアについて考えない。自分の容姿とか、食べるものとか、肌にクリームやローションを塗らなくちゃとか、最低7時間寝なくてはとか、セルフケアのためにそういうことを考えると全部がストレスになるでしょう?

一つひとつを考えすぎるとストレスになって、心にも体にも悪いことが起きてしまう。だから考えないようにしている。何もしないのが一番だと思う。

メアリー:私も本質的にはヒカルと同じだと思う。生活のなかでの自分の決めごとというか、「夜は11時にまで寝て、朝は決まった時間に起きて、ジムに行く」みたいなルールを設けたとするでしょう。それができなかったときに「あぁ、できなかった」と、自分を責めないほうがいいと思うの。「今日は決して素晴らしい日ではなかった」と自分を受け入れて、「明日はもっといい日になる」って思えばいいんじゃないかな。

健康的・ポジティブであるために、何かアクションを起こすことだけでなく、ヒカルやメアリーが話すように、ときには自分を受け入れて許す行為もセルフケアの1つ。

こうしたセルフケアが注目されるようになったのは、ネットの発達の影響も大きいというのがシェリーの意見。「セルフケアの情報が増えただけでなく、お互いが何に悩み、どう対策しているのかをソーシャルメディアでシェアできるようになったことが大きい。昔だったら弱っている自分をさらけ出すのは『恥ずかしい』『隠すこと』などと思われがちでしたが、そうしたスティグマ(偏見)がなくなってきているのは非常に大きいです」とコメントし、話題を締めくくりました。