interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。
5月12日(金)のテーマは、「アメリカZ世代のトレンド『グローバル・イーツ』」について。アメリカならではの食事情について、「NY Future Lab」のメンバーたちが話し合いました。
エスニック料理が溢れる都市・ニューヨーク
アメリカのZ世代の間でトレンドになっているのが「グローバル・イーツ(国境を超えた世界の食べもの)」。ニューヨークは人種のるつぼのため、もともとエスニック料理屋は多いのですが、最近ではアメリカ全体がグローバル・イーツ化している傾向があるのだとか。
モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「人種の多様化もありますが、やはりネットの影響が大きいです。ネットにアップされた世界の料理を見て『自分も食べたい』と思う人や、海外旅行をする人が増えたことが理由です」と解説。さらにZ世代は、食に“エキサイティング”な体験を求める世代であるとも説明しました。
ラボのメンバーは、食に対してどのような関心があるのでしょうか?
ケンジュ:僕は最近タコスをよく食べているよ。友達が食べ歩きが大好きで、最近彼がハマっているのがブルックリンのタコス。ブルックリンにはおいしいタコスのトラック(キッチンカー)がたくさんあるからね。食べてみたら本当においしくて、今はすっかりハマっているよ。
ヒカル:僕は何を食べるかより、どう節約するかしか考えていない。僕は仕事で週5日も中心部に通勤しなければいけなくて、何でもかんでもすごく高いんだ。ランチはテイクアウトでも安くて15ドル(約2,000円)するからね。だからとにかく安くて質がいいものをいつも探している。
ミクア:私と母が最近気に入っているのは、「Hマート」というアジア系のスーパー。最近ものすごく大きい店舗が近所にできたんだけど、とにかく品揃えがすごい。アジア系の食べものは日本も韓国も中国もなんでもあって、特にラーメンのコーナーは世界中のラーメンが全部あるぐらいの品揃え。それに輸入品の割にはそんなに高くないのもありがたい。あとはお肉の品揃え。味つけ済みの韓国の焼肉用のお肉が素晴らしい。
シェリーによると、一昔前は若者に人気の食べものとして、イタリアンや中華の名前が挙がることが多かったですが、最近ではメキシカンフードが人気なのだとか。アジア系移民が増えた影響から、アジア圏のエスニックフードも人気を博しており、シェリーは「ニューヨークでは週末になると、『Queens Night Market(クイーンズ・ナイト・マーケット)』という巨大なアジア食の屋台村ができるんです。クリエイティブなエスニック料理が多いですよ」とコメントしました。
人気急上昇中の日本食は?
もちろんニューヨークでも、日本食は以前から人気があります。今回はラボのメンバーに「ニューヨークで人気の日本食ランキング」を教えてもらいました。
ケンジュ:1位はラーメンだと思うな。
ヒカル:寿司のほうがラーメンより人気じゃない?
ケンジュ:でもラーメンにはカップラーメンも含まれるよ。みんな食べているじゃない。
シェリー:じゃあ3位は?
ヒカル:たこ焼き?
ケンジュ:おにぎりじゃないかな?
ミクア:私もおにぎりだと思う。たこ焼きって、あんまり見かけなくない?
メアリー:私はよく見るよ。たこ焼きのほうが、おにぎりよりたくさんのお店で売ってない? 例えばお寿司を食べに行くとメニューにはたこ焼きがあるし、ラーメンの店にもたこ焼きはあるよね。
ケンジュ:それを言うなら、おにぎりもいろんなお店で買えるよ。「Hマート」みたいなアジアスーパーとか、普通のデリにも売っているし。
ミクア:あと、おにぎりのほうが作るのも簡単。たこ焼きは冷凍モノを買って温めるならいいけど、そうでないとプレートも必要だし、タコも買わなければならない。だからおにぎりだと思うな。最近は鮭のふりかけでサーモンライスを作って食べる人もいるし。
シェリー:ミクアが言っていた「ふりかけ」って、最近人気が出てきているんじゃない?
ミクア:そうかもね。若者に人気のスーパー「トレーダー・ジョーズ」では、自社ブランドのふりかけがあるよ。笑っちゃうのはみんな「ふりかけ」って発音ができないの。「これ何?」って言いながら話しているけれど、めちゃくちゃなの。
メアリー:「フリケーク」とか言っているってこと?
ミクア:そう。「フューリー・ケーキ」とかね。こんな風に話題になるってことは、人気ってことだよね。あとは納豆の人気が急上昇していると思う。TikTokで見たアジア系の子は、毎日納豆を食べているって言っていた。本当に糸を引くのか、一体どんな味がするのか、みんな興味津々だから、試してみたいんだと思うな。
安くて質がいいことで知られる、若者に人気のスーパー「トレーダー・ジョーズ」はユニークな自社ブランドで知られており、エスニック系の商品も数多く取り扱っています。最近ではプライベートブランドのふりかけが話題になっているとのこと。
ラボのメンバーの意見をまとめると、寿司・ラーメンはともに不動の1位。3位がおにぎりとたこ焼きという結果に。冷凍たこ焼きを取り扱っているお店もあり、にわかにたこ焼き人気が上昇中です。
「アジア系のお店があまりない地域でも、SNSやTikTokでアジア料理のレシピを見て、食材をAmazonで購入して作り、それをまたSNSに投稿する……という一連の流れを含めて、Z世代は食体験を楽しんでいます」と、この世代は食とネットが結びついているとシェリーはコメント。
そして今は「納豆」に注目が集まっており、食べ方のハウツーやリアクション動画などもSNSに多くアップされているとも話します。「もしかしたら将来、納豆がアメリカで人気になる日も来るかもしれませんね」と笑ってコメントしました。