3月から“マスク着用”が緩和… コロナ禍でマスクをし続ける日本人、ニューヨークのZ世代にはどう映る?

「NYのZ世代から、日本人の“マスク着用”はこう見えている」。コロナ禍ですっかりおなじみとなった日本の光景について、「NY Future Lab」のメンバーたちが意見を交わしました。

「NYのZ世代から、日本人の“マスク着用”はこう見えている」。コロナ禍ですっかりおなじみとなった日本の光景について、「NY Future Lab」のメンバーたちが意見を交わしました。

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

2月10日(金)のテーマは、「NYのZ世代から、日本人の“マスク着用”はこう見えている」。コロナ禍ですっかりおなじみとなった日本の光景について、「NY Future Lab」のメンバーたちが意見を交わしました。

ニューヨーク、パリでは「ほとんどマスクをしている人はいない」

新型コロナウイルスの流行によって、公共の場で人々がマスクを着用するのが当たり前になって数年。先日、日本政府はマスクの着用について、3月13日(月)からは「原則個人の判断にゆだねる」と方針を発表しました。

モデレーターでZ世代評論家のシェリーによると、ニューヨークではマスク着用の義務付けは病院などの医療機関を除き、ほぼ撤廃されたとのこと。「外でマスクを着けている人を見ることはほとんどありませんし、地下鉄に乗っていてもマスクを着用している人は1割以下くらい。先日ラスベガスに行った際に乗った飛行機は、満員だったのにマスクを着けている人はゼロでした」とコメントします。

一方で、この冬に日本へ旅行したラボのメンバーのメアリーとヒカルからは、「日本ではみんながマスクをしていたから安心して旅行ができた」との意見も。いまだにマスクを着けている人が多数派な日本ですが、ラボのメンバーにはどう映っているのでしょうか?

ヒカル:コロナはもう(感染症法に基づく分類が)2類ではなく、季節性インフルエンザと同じ5類に変更されるんだよね。カテゴリーが変更されるのは5月で、あと3ヵ月もあるのはちょっと変かなと思った。ゴールデンウィークがあるから、その時期に人が外にたくさん出るのを心配しているのかな、と思ったりもしたけど。

ノエ:日本人にマスクをしている人が多いのは、他人を気遣う人が多いからじゃないかな。僕の住んでいるパリにもマスクをしている人はいるけれど、お年寄りでリスクが高かったり、病気だったりする人が多いからだと思う。

シェリー:パリではどれくらいの人がマスクをしているの?

ノエ:10人のうち1人か2人、もっと少ないときもある。僕はしていない。マスクをつけたいときもあるんだけど、持ち歩くのを忘れてしまうんだよね。もうそれほど深刻に考えていないからだと思う。

パリって冬の間、みんなが体調を崩しているんだ。ニューヨークも同じかもしれないけれど、パリでは本当にみんなが風邪を引いている。うつらないほうが無理って感じ。だからコロナも今では(その他の風邪と)同じような扱いなんだよね。

マスクをめぐる同調圧力はアメリカにも…

パリもニューヨークと同じく、マスク姿の人はあまり見かけない様子。なぜ日本人は規制のない屋外でもマスクを外さないのでしょうか? その理由について、ラボのメンバーが話し合いました。

メアリー:日本では、ほとんどの人がまだマスクをしているから、しないと居心地が悪いよね。それに、マスクを外す最初の人にはなりたくないのでは? だって目立ってしまうもの。ほら、日本のことわざで「出る杭は打たれる」って言うじゃない。あれと同じだと思うんだけど。

ケンジュ:コロナがインフルエンザと同じ分類になって、「もうマスクをしなくてもいい」と言われても、日本人はずっとマスクをし続けるんじゃないかと思う。日本人は清潔であることにすごく気を遣うでしょう? コロナとインフルエンザが同じ分類でも、今度はインフルエンザが2倍あるみたいな感じになって、かえって怖くなってマスクつけてしまうのでは?

ノエ:日本にはもともと、マスクをつける文化があったからね。僕はコロナ禍でそれが変わったと思うんだ。ヨーロッパやアメリカの考え方は違うということも、日本人は知ったと思う。

シャンシャン:社会の暗黙の了解みたいなものがあるよね。みんなに合わせたいとか、合わせなきゃというプレッシャーはアメリカにもある。私の友達は先日大きな会議で、自分のプロジェクトを発表することになっていたんだけれど、彼女以外は参加者全員、1人もマスクをしていなかったそう。

だから彼女はプレッシャーを感じて、その場に溶け込むために、マスクを外してしまったと言っていた。アメリカではマスクをするほうが良くない、そんな雰囲気を感じるわ。

同調圧力のようなものはアメリカにも存在しますが、日本と異なりアメリカの場合は「マスクを外す」ほうに、その力が働いている模様。

先日のニューヨークタイムズでは「なぜアジアでは規制が緩くなっても人々がマスクをし続けるのか」という記事が掲載され話題になりました。記事では「2年間し続けたマスクを今さら外すことに違和感がある」「アジア諸国では100年前のスペイン風邪の時代から、近年のSARS・MERS流行までマスクを着ける習慣がある」「日本や韓国では、マスクを着けているとメイクをしなくてもいいので楽だという意見がある」「『顔パンツ』と呼ばれるほど、取ると恥ずかしいという感覚がある」「混雑している場所でマスクをしていないと注目されてしまう」……などの理由があると分析しています。

シェリーは「アメリカは、これまでマスクを着ける習慣がなかったので、店でマスクを売ってすらいませんでした。今では普通に販売していますし、あまり考えたくないですが、またこうした感染症の流行があった際には対応が早くなりそうなので、いい面もありますね」と話題を締めくくりました。