アメリカの大卒初任給はいくら? 新卒でも年収1,000万円を超える業界も!

「ニューヨークの大卒初任給について」。「NY Future Lab」のメンバーたちが、大卒初任給や卒業後に就職したい業界について話し合いました。

「ニューヨークの大卒初任給について」。「NY Future Lab」のメンバーたちが、大卒初任給や卒業後に就職したい業界について話し合いました。

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

12月9日(金)のテーマは、「ニューヨークの大卒初任給について」。「NY Future Lab」のメンバーたちが、大卒初任給や卒業後に就職したい業界について話し合いました。

アメリカの初任給はいくら?

「NY Future Lab」のメンバーは学生が多く、卒業後は企業に就職することを考えています。日本の大卒初任給は平均で月22万5千円(年収換算で270万円)ですが、アメリカの大卒初任給はいくらなのでしょうか? まずは医学生メンバーに、医療系の職業の初任給について聞いてみました。

シャンシャン:医療の勉強をしている人は、最短で2ヵ月の資格、または2年の短大卒業でエントリーレベルの職につける。給料は年収4~5万ドル(約5~600万円)と低い。もっと稼ぎたければ、医師の資格を取らなければならないの。医師になれば専門分野にもよるけど年収20万ドルから30万ドル(約2,700万円〜4,000万円)は稼げる。

医学生は4年制大学を卒業して働き始めても、3~4万ドル(約400万円)の年収しか稼げないことが問題だと話すシャンシャン。エンジニアやコンピューターサイエンスの勉強をして、そのような業界に就けば、初任給でも年収1,000万円は超えるため、友人には「IT系を専攻したほうがいい」とアドバイスしたのだとか。

同じく医師を目指して勉強しているミクアは、すでに学費ローンが2,000万円以上あるのだそう。「最終的には割が合うと思っているけれど、かなりの年収を稼がないと……」と話します。

メアリー:私はアクチュアリー(保険数理士)になろうとしているけれど、初任給は7万ドル(約950万円)くらいだと思うわ。その後にもっと高い資格を取って別の会社に移り、また資格を取る……というのを繰り返して、最終的には多分、年収4,000万円くらいになるんじゃないかな。

人文科学系の大学院で学んでいるノエは、コンサルタントやファイナンスの仕事が自分にフィットすると考えているとコメント。そうした仕事の初任給は、年収1,000~2,500万円くらいだと話しました。

ちなみにアメリカ全体の4大卒の平均初任給は約640万円と、日本の2倍以上。Cartoonは「かなり高いですね!」と、アメリカの初任給の高さに驚きました。モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「ニューヨークは物価が東京の2倍以上だから当然なのですが、アメリカでは専門性の高い仕事なら最初から高い給料が支払われます」と解説。日本のように、新卒初任給がどの企業でも同じような額ということはないと説明しました。

転職は当たり前

先ほどメアリーが「年収を上げていくために転職を繰り返していきたい」とコメントしていました。アメリカでは転職は当たり前というイメージがありますが、実際のところ転職についてラボのメンバーはどう考えているのでしょうか。

シャンシャン:ほとんどの会社が未経験では雇ってくれないから、転職をするの。だから学生はなんとかして経験を積まなきゃということで、卒業するととりあえずよさそうな仕事について経験を積むことを考えるの。3~4年経って十分な経験が積めたと自信を得られたとき、同じ会社で満足する昇給が得られなければ、転職するわね。

ノエ:大学を卒業した友達は、この2年間にもう2~3回転職している。だからニューヨークでは普通のことだと思う。もっといい給与を求めて当たり前に転職するんだよね。

ミクア:大学を卒業したというだけで、両手を広げて迎えてくれる会社なんてないわ。こんなに頑張って勉強して、高いローンを払ってまで学位を取って卒業したのに「雇えません」って言われてしまうのって本当にひどいと思う。

かと思いきや、ハーバード大学みたいな一流大学出身なら簡単に仕事も見つかるし、初任給もいい。ハーバード大学に行ったという理由だけでね。一流大学を卒業して履歴書がよければ、会社がすぐに採用してくれて出世もできるし、他に移るのも簡単。これもアメリカの一つの姿。同じ学位や資格を取っても、行った学校とコネクションによって全然違ってくるの。

やはり、転職に対する意識は日本と比べてカジュアルな様子。シェリーは「逆に言えば、最初から思うような年収の仕事には就けないということです」とコメントしました。

アメリカの学生は、1人当たり平均で4万ドル(約600万円)の学費ローン負債を抱えて卒業します。医学生に限れば、その額は平均30万ドル(約4,000万円)。一方でハーバード大学のような一流大学の学歴とコネがあれば就職もずっと有利ですが、こうした大学に通う人はもともと裕福な家の出身の人が多いため、シェリーは「どうしても不公平感が強くなりますよね」とコメント。

こうした格差を是正するために、バイデン政権は、学生の奨学金返済を免除する法案を出しているものの、反対派も多く実現は不透明です。

「奨学金の返済が大変だから家が買えない、子どもが持てない、子どもを大学に行かせてあげられない……などがあるので、なんとかしないといけないとは思いますけれどもね」と、締めくくりました。