トップYouTuberは年間所得80億円越え!? アメリカの最新YouTuber事情に迫る

「アメリカのトップYouTuberについて」。アメリカならではのYouTuber事情について解説しました。

「アメリカのトップYouTuberについて」。アメリカならではのYouTuber事情について解説しました。

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

11月11日(金)のテーマは、「アメリカのトップYouTuberについて」。アメリカならではのYouTuber事情について解説しました。

年間所得80億円のトップYouTuber!

アメリカの子どもたちがなりたい職業ナンバーワンのYouTuber。先日発表されたアメリカのYouTuberの所得番付の1位はMrBeast(ミスター・ビースト)で、その額は年額でおよそ80億円。サブスク登録者数は1億人を超え、アメリカのみならず世界中の人が注目しています。ちなみに日本のトップYouTuberは年額5億円ほどの所得であることから、まさに桁違いのセレブリティです。

そんなMrBeastとは一体どのような人物なのか? ラボのメンバーの中でもYouTuberに詳しいメアリーとケンジュに解説してもらいました。

メアリー:彼のネタのほとんどは「チャレンジもの」なの。最初の頃は、例えば同じ曲を1,000回聴き続けて、それを42時間中継する……みたいな、アホなことをやっていた。今ではそのクレイジーさがエスカレートして、「イカゲーム」をYouTubeで完全に再現してしまったぐらい。ゲーム優勝者は実際に賞金をもらえて、すごく話題になったよ。

それ以外にも、「高級車のランボルギーニに20人くらいがしがみついて、最後まで残った人がその車をもらえる」企画をやっていた。だから子どもたちのファンがとても多いし、彼を真似た内容のビデオも相当出回っているの。

ケンジュ:とにかくお金をどんどん(人に)あげてしまうし、ビデオ制作にもめちゃくちゃお金がかかっているんだ。だから実際に彼が稼いでいるお金は、発表されている金額よりもずっと多いと思うよ。

「ランボルギーニをもらえる企画ってヤバいですね!」と驚くCartoon。モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「参加した人がランボルギーニをもらえる企画は、(企画内のゲームで)最後まで残らなくても何百万円かをもらえちゃうんですよ」と付け加え、MrBeastの金に糸目を付けない企画内容について説明します。

このMrBeastは1998年生まれのZ世代。13歳からYouTuberとしての活動を始め、最初は「チャレンジもの」の動画を投稿し、次第に有名になりました。彼の最も再生されたビデオは、Netflixのデスゲームドラマ「イカゲーム」のセットを完全再現したもので、3億回再生を記録しています。

彼のファンがデスゲームに参加し、優勝した人にはおよそ6,300万円を賞金としてプレゼントする企画が大変話題を呼んだのだとか。シェリーは「観てもらえばわかるけれど、セットがとにかくすごい! ドラマとまったく同じなんです」とコメントし、セット作りをはじめとした動画制作にもかなりの金額を使っているのだろうと推測しました。

そんなMrBeastは、環境チャリティーにも巨額の寄付をしていることでも知られ、植樹のために25億円を集める募金活動Team Treesを行いました。「こうして稼いだお金を世の中に還元しているというのは、Z世代にとって理想ですよね」と、シェリーはコメントしました。

YouTuberがテレビに出るメリットは?

日本ではトップYouTuberがテレビをはじめとしたメディアに出演することが多いですが、アメリカではどうなのでしょうか? ラボのメンバーに聞いてみました。

メアリー:アメリカの従来のテレビはもう死んでいるわ。そもそも人気YouTuberは元々、テレビで成功しようとしていた人が多い。例えばJake Paul(ジェイク・ポール)はディニーチャンネルに出ていたしね。

彼は俳優としてテレビで成功しようとしていたけれど、テレビではそれほど稼げなかった。YouTubeなら誰にも気を遣うことなく、自分がやりたいことが自由にできる。でもテレビにはルールが色々あり、放送コードに引っかかることもあるけれど、YouTubeはずっとパーソナルで、見る人とクリエイターが深い関係を築くこともできる。そこがテレビとYouTubeの大きな違いだと思うわ。

日本と同じく、若い世代はテレビを観なくなっているアメリカ。ターゲット層である子ども・若い世代が観ないテレビに、YouTuberが出演するメリットはさほどありません。さらにMrBeastのように、サブスク登録者数が1億人を超えていれば、金銭的にもテレビに出演する必要は皆無。

アメリカのYouTuber長者番付で、10位の人ですら年間所得が20億円を超えているYouTuber界。シェリーは「日本のYouTubeも面白くてけっこう観ているけれど、言語が日本語なので日本語がわかる人しか観られない。面白いコンテンツに英語字幕をつければ、日本語の動画でも(世界で)観られるようになるんじゃないかな」と、日本のYouTuberにも期待を寄せてトークを締めくくりました。