アメリカでも若者世代は「車離れ」している! 維持費や保険が高い、公共交通機関が便利… Z世代が理由についてディスカッション

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ・Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

10月14日(金)のテーマは、「Z世代の車離れ」について。「NY Future Lab」のメンバーたちが、日米の若者たちの車離れについて話し合いました。

アメリカでも若者は「車離れ」している

若い世代の「飲酒離れ」など、「○○離れ」についての議論が続く「NY Future Lab」。今回のテーマは若者の「車離れ」です。

日本では、若者世代の「車離れ」が叫ばれて久しいですが、日本の運転免許統計によると、16~19歳で運転免許を持っていた人は2001年には172万人いたものの、2021年には84万人まで減っているとのこと。

モデレーターでZ世代評論家のシェリーによると、アメリカでも若者世代は車の運転免許証を所持しない人が増えているのだとか。18歳で免許を持っていた人は、1983年には8割でしたが、2018年には6割まで下がっているというデータがあります。

ラボのメンバーたちは、車の所有についてどう考えているのでしょうか? インタビューをしてみました。

シャンシャン:私の周りはみんな、車を欲しがっているけど。

ノエ:僕は正直、あまり興味ないね。公共交通機関がある限りはいらない。でも遠くに旅行に出かけたときとかに、運転できると安心だし便利ではあるよね。

メアリー:私も都会っ子で、バスと地下鉄があれば車はいらないと思う。でも他の州では必需品だわ。あとはこれまでのように、個人用や家族用みたいに一家で何台も車を持つことはなくなると思う。だってお金がかかりすぎるもの。

ヒカル:保険もクレイジーなほど高いし、ガソリンも上がっているし、車自体も値上がりしているよね。コロナでパーツが作れなかったりしたから。

ミクア:今は車を運転すること自体がかっこいい! という時代はもう終わったのかも。

コロナ禍による部品不足などもあり、中古車も値上がりしているアメリカ。ニューヨークは公共交通機関が発達しているので、車を所有しないで過ごしている人も多いですが、他の州では車なしで生活するのはなかなか困難です。こうした中で、アメリカでは「環境のために公共交通機関をもっと増やそう」という動きも起こっているのだそう。 さらには保険料も値上がりしているため、運転免許証は取得したものの車を所有せずに、カーシェアリングなどを利用する層も増加していると、シェリーは付け加えました。

電気自動車は「車離れ」を止められるか?

バイデン大統領は新たな環境法案の中心に「電気自動車の普及」を挙げています。主な対策として新たに電気自動車を購入する人に、7000ドル(約100万円)のインセンティブをあげたり、アメリカ東海岸に電気自動車やパーツを製造する工業地帯を作る計画を立てたりしているようです。

鳴り物入りの政策ですが、電気自動車の普及が若者世代の「車離れ」に歯止めをかけられるのでしょうか。

メアリー:電気自動車は、まだまだ作られている数も種類も限られています。例えば私がいいなと思うものは、テスラとポルシェくらい。これからもっとたくさん、ガソリン車と同じくらいに電気自動車が作られるようになれば、価格競争も激しくなってもっと値段も下がるし、手に入りやすくなるのではないかな。

ノエ:電気自動車は性能がイマイチだと思うよ。燃費とかスピードとか。

メアリー:たとえ電気自動車に移行したとしても、それを動かす電気を作るのに、まだ化石燃料を使っているよね。それだと環境汚染に加担していることに変わりがないと思う。

ノエ:うん、確かにそうだね。

ラボのメンバーたちは、電気自動車にはまだ価格や性能面での問題があると考えている様子。電気自動車自体がCO₂を排出しなくても、車を動かす電力の発電には化石燃料が使われているため、“環境にいい”と言い切れないのでは? と批判的な目線を持っているようです。電気自動車の普及が「若者世代の車離れ」を止められるかどうかは、現時点では不透明という結果に。

電気自動車の普及についてのさまざまな問題点を聞いたCartoonが、「イタリアの知人が『ヨーロッパでは電気代が物凄く上がっていて、音楽スタジオの維持もままならない』と話していました」とコメントすると、シェリーも「ニューヨークも去年の1.5倍くらいに上がっています」とため息をつきます。