interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。
5月2日(月)は、「NY Future Lab」主宰かつ、モデレーターでZ世代評論家のシェリーとCartoonの対談をお届け。シェリーが「NY Future Lab」で実現したいことについて語りました。
気づいたらNY生活も30年
1991年にアメリカ・ニューヨークに移住したシェリー。アメリカの音楽が好きで「アメリカのミュージックカルチャーに思いっきり浸かってやろう」という気持ちで日本を飛び出したそう。「1年くらい語学留学をして帰るつもりが、気づいたら30年もいて……(笑)」と笑います。
Cartoon:当時のニューヨークはどうでしたか?
シェリー:ニューヨークは今も昔も、人のエネルギーがすごい。着いた日のことを今でも思い出すけど、6月1日で夏の日差しにゴミの香りが漂う街でしたね(笑)。今でもだけど……。
Cartoon:わかる(笑)! 酸っぱい臭いがね。
シェリー:そう(笑)。やっぱり東京のようにクリーンな街じゃないので、ごった煮の感じ。「ぎゃっ!」って感じなんですけど、やっぱりエネルギーがすごいのよ。
Cartoon:人間のエネルギーですよね。
シェリー:そう。それで自分も元気が出てくるような、そういう街だなって。
当時のクラブカルチャーについて質問されたシェリーは、「90年代のニューヨークはハウスミュージックの黄金期」と振り返ります。昼はアンダーグラウンドのレコードショップやレーベルを巡り、夜はクラブに遊びに行く生活をしていたのだとか。
シェリー:よく行っていたのは「クラブ シェルター」 ね。
Cartoon:伝説の箱だ、伝説。ハウスと言えば、って感じですよね。
シェリー:そういうアンダーグラウンドから生まれた曲がチャートに入るわけですよ。本当にハウスの初期で、大箱のクラブもたくさんあって。
Cartoon:どのDJがよかったとか、具体的に覚えていますか?
シェリー:通っていた当時でいえば、ティミー・レジスフォートとか“リトル”ルイ・ヴェガ。あと当時、私は日本向けにクラブに関するラジオ番組をやっていて、そこで出会ったジョー・クラウゼルとかね。当時ジョーはDJもやっていたけど、レコード屋の店員だったんです。本当に大昔の話だけどね。
Cartoon:へぇ! すごく歴史も感じますし、ニューヨークの風がスタジオに吹いています!
「日本とアメリカのZ世代」の懸け橋に
シェリーが主宰する「NY Future Lab」の話題になると、シェリーはZ世代について「本当にDiverse(多様)なんです。一人ひとりの個性という意味ではなく、人種やジェンダーがグローバルなスケールで一緒になって、何かを作っていく世代」だと分析。インターネットの発達と普及によって「他者と繋がっていることが当たり前になった世代」だからこその価値観を持っていると話します。
シェリー:Z世代は20年前、30年前のアメリカの若者と違うんです。そこが私にはすごく面白いんです。「NY Future Lab」には父・母の人種が違う子も多いけれど、人種のこともそうだし、世の中を見る目も全然違うの。
Cartoon:彼らは「繋がっている」ことが当たり前なので、言語が違う人のSNSにコメントするのも「おはよう」と言うのと同じ感覚でしますよね。日本語がどうとか、あまり関係ないんだよね。
シェリー:そうそう。みんなゲームとかするでしょう? そうするとインドの人と(オンラインで)ゲームをしたりとか、当たり前にやってるよね。
「私たちはZ世代から(いろんなことを)学ぶべき。これから未来を作っていく世代のことを知ってほしい」と、持論を展開したシェリー。この先、「NY Future Lab」が目指すことについて質問されると「日本のZ世代とアメリカのZ世代をもっと繋げたい」と答えます。
シェリー:触れ合うことで気がつくこと、生まれるものっていっぱいあると思う。みんながみんな外に出ていきたいタイプばかりじゃないと思うけど、何か繋がることで生まれるものをもっと知りたいなと思いますね。
Cartoon:そうですね。僕なんかもラジオとSNSを両方やっていると、ラジオのよさってやっぱりあるんですよ。キュレートするよさというか。そこのフィルターを通してアメリカと日本のZ世代を交流させると、ラジオを聴いていない人も含めてTwitterで意見することだってできるし、それを活かすとまた違ったクリエイションが生まれてきますよね。
シェリー:本当にそう思いますね。