TikTok発の曲のヒットチャート入りは当たり前!? アメリカZ世代はTikTokをどう使いこなしている?

「今の音楽シーンのヒットメーキング・マシーンとなっているTikTok」。TikTok発の楽曲がヒットチャート入りすることも珍しくなくなった昨今、アメリカのZ世代にとってTikTokがどのような存在なのかをインタビューしました。

「今の音楽シーンのヒットメーキング・マシーンとなっているTikTok」。TikTok発の楽曲がヒットチャート入りすることも珍しくなくなった昨今、アメリカのZ世代にとってTikTokがどのような存在なのかをインタビューしました。

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

4月25日(月)のテーマは、「今の音楽シーンのヒットメーキング・マシーンとなっているTikTok」。TikTok発の楽曲がヒットチャート入りすることも珍しくなくなった昨今、アメリカのZ世代にとってTikTokがどのような存在なのかをインタビューしました。

TikTokと音楽の相関性とは?

TikTokでトレンドになったことで、ヒットチャート入りする楽曲が増えてきたのは、日本もアメリカも同じ。「NY Future Lab」のメンバーにインタビューをしてみると、どうやらアメリカのZ世代とTikTokは切っても切れない関係だということがわかってきました。

メアリーはイラストアートや猫のビデオをよく観るそうですが、使われているBGMが頭から離れなくなることがよくあると話します。

メアリー:何度も聴いているうちに頭にこびりつくというか、もっと聴きたくなって別のプラットフォームに行って聴くことがよくある。だから新しい曲と出会うにはTikTokはいいと思う。でも正直に言うと、本当にその曲が好きなのか、それとも無意識に刷り込まれて好きになったような気がしているのかよくわからない。でも聴くアーティストの幅を広げてくれる、という意味ではいいと思う。

今まで知らなかったアーティストの曲に、偶然出会いやすいのもTikTokならでは。ミクアは最近、テニスプレーヤーの大坂なおみ選手との交際の噂があるラッパー・Cordae(コーデー)の曲と出会ったのだとか。

ミクア:彼が自分のTikTokページで曲をプロモーションしていて、アカペラバージョンだったんだけど、それがとても良かった。その曲を探して聴いてみたら、やはりすごく良くて大坂なおみのことを歌っていた。だからその曲を私のプレイリストに入れることにしたの。そんな風にしてTikTokで新しい音楽と出会っている。

アメリカのZ世代の間では「TikTokで新しい曲と出会い、気に入ったらSpotifyなどの音楽プラットフォームでフル音源を楽しむ」という流れができているのだそう。モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「数年前までは『面白いダンス動画があるサイトね』という感じで、あまり大人はTikTokを相手にしてこなかったのですが、今やビジネスを含めてみんなが熱い視線を送っています」と、TikTok人気の過熱ぶりを解説。Cartoonも「日本でも30代の利用者が増えていると聞きますね」と、うなずきました。

TikTokを使わない人でも「TikTok発の曲」は知ってる!

「自分の曲のプロモーションが無料でできるので、アーティスト自身もTikTokを有効なプラットフォームとして使っているのでは?」と話すミクア。TikTokをあまり使わないという他の「NY Future Lab」のメンバーも、最近TikTok発の音楽をよく耳にするようになったと話します。

ノエ:TikTokから生まれたグループのGunna & Future(ガンナ&フューチャー)の「pushing P」という曲。入れ込んで聴いているわけではないけど、時々ビデオを観るんだよね。TikTokでヒットすれば必ずヒットチャートに入る。今アメリカのチャートのトップの曲は、みんなTikTokから出た曲だよね。

シャンシャン:私はソーシャルメディアはほとんど使わないし、TikTokも観ないんだけど、GAYLE(ゲイル)の「abcdefu」という曲は最近よく聴くようになったね。これもTikTokから出た曲よね。

シェリーは「音楽業界がマイクロインフルエンサーと呼ばれる『めちゃくちゃ有名というわけではないがフォロワーはそこそこいる』という人たちに声をかけて、お金を払って曲のプロモーションをしてもらっている」と、音楽業界にとってTikTokは欠かせないプロモーションツールになりつつあると解説。

インド、インドネシア、ブラジルでは、TikTokを運営する企業・ByteDance(バイトダンス)が音楽ストリーミングサービスを始める動きもあり、Spotifyなどの既存音楽ストリーミングサービスが、顧客離れの危機感を募らせているとも話します。

こうした話を聞いたCartoonは「TikTokはもともと音楽に近いプラットフォーム。アーティストにとっては、音楽に近いSNSが増えてくれたら音楽を聴く人が増えるし、プラスに考えられるよね」と、今後のTikTokや音楽プラットフォームの在り方に期待を寄せました。