Z世代に大人気の「アフロビート」はなぜトレンド化した? K-POPと共通する“アメリカでヒットする法則”とは

4月18日(月)のテーマは、「アメリカのZ世代が聴いているニューサウンド」。アメリカのZ世代が今聴いている音楽についてトークしました。

4月18日(月)のテーマは、「アメリカのZ世代が聴いているニューサウンド」。アメリカのZ世代が今聴いている音楽についてトークしました。

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

4月18日(月)のテーマは、「アメリカのZ世代が聴いているニューサウンド」。アメリカのZ世代が今聴いている音楽についてトークしました。

R&B・ヒップホップ人気は健在!

前回の放送では、日本のシティポップがアメリカのZ世代にも聴かれるようになっていると解説。SNSやYouTubeが広まったことで国の垣根がなくなり、他の国の言語の曲を気軽に聴くようになった層がいる一方で、「やっぱり英語の曲を聴くのが好き」という人も多いのだとか。

「NY Future Lab」メンバーのミクアは、アメリカのR&Bやヒップホップを聴くのが好きだと話します。

ミクア:一番好きなのは、アメリカの伝統的なヒップホップ。アメリカンヒップホップ独特の決めゼリフや言葉遊びがすごく好き。好きなアーティストはやっぱり私の気持ちに寄り添ってくれるというか、聴いたときにゾクゾクして鳥肌が立つような音楽かな。

ミクアは最近、カニエ・ウェスト(Ye [イェ] )のドキュメンタリーを観たことで、彼の音楽に興味が湧いたともコメント。

ミクア:カニエは私が生まれたころに大ブレイクしていたアーティストで、私の記憶の中ではスキャンダルとかそんなのばっかりで、あまり真剣に音楽を聴いてみようという気持ちになれなかった。でもドキュメンタリーを観て、彼の生い立ちとか経験を知ることで、彼の音楽にすごく興味が湧いてきた。

モデレーターでZ世代評論家のシェリーも、ミクアに勧められてカニエのドキュメンタリーをチェックしたそう。「デビュー前からの密着なんですけれど、彼はとても苦労しているんです。トラックメーカーだから、なかなかラッパーとして認めてもらえない苦悩や葛藤も描かれていて。とても素晴らしいドキュメンタリーだなと思います」と、感想を述べました。

「アフロビート」はなぜトレンド化した?

ミクアはアメリカのR&Bやヒップホップが好きだからといって、海外の音楽をまったく聴かないわけではないそう。最近アメリカでも人気を博している、アフリカ・ナイジェリア発の音楽ジャンル「アフロビート」をよく聴くと話します。

ミクア:今ハマっているのはアフロビートで、好きなアーティストはTems(テムズ)。彼女が好きなのは、音楽がR&Bとアフロビートのミックスだから。彼女が書いてWizKid(ウィズキッド)とコラボした「Essence」という曲は去年の夏の大ヒットだった。

ミクアは、アフロビートに惹かれるのは自分がダンスをするからだとも話します。

ミクア:アフロビートは音楽ジャンルであるだけではなくて、ダンスのスタイルでもあるの。ダンスクラスでアフロビートでよく踊るし、ダンスをするときはそもそも音楽に動きを合わせる必要があるわ。

ノエ:僕もダンスミュージックが好き。僕は実際に音楽に合わせて踊ったりはしないけれども、頭や心の中ではいつも音楽に合わせて踊っているんだ。だから音楽は確実に動きっていうものを持っていると思うよ。体の中だけじゃなくて、頭とかに響くヴァイブがあると思うんだ。なんというか、波のような動きが音楽にはすごく大事だと思う。

シェリーは「ナイジェリアのミュージックシーンはアフロビートを世界に送り出しているんだけれど、アメリカやヨーロッパ、中東まで広がっているグローバルなサウンドなんです」と解説。グローバルポップなR&Bサウンドと、アフリカンサウンドをうまくミックスさせることを意識したジャンルだと説明します。

数年前からBeyoncé(ビヨンセ)やDrake(ドレイク)などが、自身のサウンドにアフロビートを取り入れ始めたのがブレイクのきっかけだとも話すシェリー。番組パーソナリティのCartoonが「アフロビートはTikTokのダンス動画とも相性がいいですよね」とコメントすると、シェリーも「すごくいいポイント! ミクアが紹介した『Essence』もTikTokで流行って広がったんです」と、うなずきます。

さらにシェリーは、アフロビートがトレンド化している現状を「K-POPと似ている」とも。「K-POPもアメリカンサウンドを研究して、R&Bやヒップホップの要素を取り入れて発信している。言葉やフレーバーが違うから新鮮だけど、ベースはアメリカのR&Bやヒップホップだから馴染みやすい。同じことをアフロビートもやっていると思います」と考察しました。