アメリカではマスク着用義務が原則不要に…Z世代はマスクを手放すのに複雑な心境

アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、モデレーターでありミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

3月2日(水)放送のテーマは、「マスク義務付け解除に伴って、ラボのZ世代たちがどう感じているのか?」。アメリカではマスクの着用義務が解除されましたが、アメリカのZ世代は複雑な心境のようです。

CDCがマスク着用義務を原則不要に

2月末、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は新型コロナウイルスの感染が落ち着いている地域における、マスクの着用を原則不要とする声明を発表。これに伴い、全米の各地でマスク着用義務が次々に解除されています。

モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「私たちニューヨーカーはニューヨーク市の規制に従うことになる」と話し、ニューヨークでは屋外でのマスク着用の義務はなし、屋内では公共交通機関・病院などでは着用義務があると解説(3月2日現在)。店舗や施設などではその場所の方針によって異なり、公立学校でのマスク着用義務を取りやめるかどうかは、3月4日に発表されると話しました(番組放送時)。

※学校でも正式にマスク着用義務はなくなりました

マスクなし生活に戻る気持ち

マスクなしで生活できるアフターコロナの世界が近づいてきましたが、「NY Future Lab」のメンバーの思いは複雑な様子です。

シャンシャン:マスク義務付けが解除になって数日だけど、どんどんみんながマスクをしなくなっているように見える。

ヒカル:国としてのマスク推奨はなくなったけれど、(実際のルールや判断は)それぞれの州や市町村に任されている。例えばニューヨーク市はレストランなどの屋内ではまだマスク着用を推奨している。そのおかげでちょっと混乱も生じているんですよね。例えば、みんなの通う大学ではまだマスク着用義務がある。でももし今、マスクを取っていいと言われたらどんな気分になるのかな?

「2年間マスクをつけて生活していたからファッションの一部になっているし、マスクを取るのは裸になるみたいな気持ち」とシャンシャン。メアリーもうなずき、「すっかり慣れてしまったし、マスクをしているとニキビがあっても隠せるし、マスクがあってよかったと思うことも多い」とコメントします。

特に思春期の子どもは、マスクを外した生活についてナーバスになっている人が多いそう。シェリーは「ニキビや生え始めたヒゲ、歯列矯正のブリッジなど、思春期は見た目の悩みが多い年代じゃないですか。それをマスクで隠せていたからよかったけど、取らなければいけないから(悩む人が多い)」と話しました。

「マスク・フィッシング」が話題に

一方、アメリカでマスクが普及したこの時期ならではのトレンドも。デートアプリやマッチングアプリを使っている人の間では、「マスク・フィッシング」という新しい言葉が使われているそうですが……。

シャンシャン:誰かと初めて会うとき、マスクで顔の半分が隠れているから、その人の顔半分しか見れないでしょう? マスクをしているときはかわいかったりセクシーだったりしたのに、マスクを取ったら「えーっ!」ってなることがある。そういうときに「マスク・フィッシングされた(=マスクで釣られた)」って言うの。

「マスクをしていると盛れる(よく見える)」と気づいた人が多く、デートアプリではみんながこぞってマスク姿の写真をプロフィールに設定しているのだとか。そのため実際に会ってみると、相手のマスク姿とのギャップに驚いてしまうケースも増えていると話すシャンシャン。

ノエも「それはよくわかる」と同意し、「2020年に東京に行ったとき、マスク姿の女性がどの人も美しく見えてしまった」と振り返りました。

これを聞いたパーソナリティの綿谷は「日本でも『マスク美人』という言葉もありますからね」とコメント。シェリーは「人間は他人の顔のマスクで隠れている部分を想像するとき、ベストな顔を想像してしまうという脳の働きがあるようです」と、「マスク・フィッシング」が起きやすい理由は科学的な裏付けがあると解説。

TikTokなどを中心に「マスク姿と素顔を公開して、視聴者にギャップを楽しんでもらう」コンテンツも人気を博しており、シェリーは「感染が深刻な地域からすれば不謹慎かもしれませんが、2年間コロナの恐怖や不便に耐えたということだから、ちょっとした息抜きとして許してね……という感じでしょうか」と締めくくりました。