これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。
1月19日(水)のテーマは、「なぜ日本語の勉強を始めたのか」。アメリカのZ世代である「NY Future Lab」のメンバーが、日本語の勉強を始めた理由について聞きました。
きっかけは「セーラームーン」
「NY Future Lab」には、日本にルーツを持つメンバーもいますが、今回出演したメアリーとシャンシャンは、日本に全くルーツを持っていません。そんな彼女たちは、なぜ日本語を学ぼうと思ったのでしょうか? 通常とは違い、日本語でインタビューに答えてもらいました。
メアリー:私はすごくアニメが好きだから、自然にその言葉を学んだの。それで日本のことが好きになって、日本語を本当に学びたかったから、高校のときに日本語の授業を受けて、大学でも続けて8年くらいかな? 日本語(の授業)を受けています。
シェリー:最初に好きになったアニメは何だったの?
メアリー:はじめのアニメは多分「セーラームーン」ですね。私は5歳のとき夏にロシアに行って、そこで「セーラームーン」を観て「このアニメ面白いな」って感じて。だけど(「セーラームーン」が)日本のアニメとは知らなかった。
アメリカに戻って「セーラームーン」のことをもっと知りたかったから調べてみると、「ああこれは日本のアニメなんだ。ロシアとかアメリカ(のアニメ)じゃない」ということを……。
シェリー:知ったと。
メアリー:はい。元々アメリカのアニメはあまり好きではなくて、日本のアニメのほうが絵がきれいとか、話が面白いって思ってました。
シェリーによると「ポケットモンスター」や「ドラゴンボール」など一部のアニメは、英語吹き替えで放送されているものの、それ以外のほとんどのアニメは日本語音声・字幕付きで放送されているとのこと。「本当のアニメファンは吹き替えで観ずに、元の言語で観るそうです」とも話しました。
「ストーリーが本当に面白い」
シャンシャンも、メアリーと同じくアニメがきっかけで日本語に興味を持つようになったそう。
シャンシャン:大学1年生のときに(日本語の勉強を)始めました。理由はメアリーと同じです。子供のときにアニメを観て「ああこのストーリーって本当に面白い」って思って。
それからアニメをたくさん観始めるようになり、しゃべることはできないけれど、日本語の意味はなんとなく聞き取れるようになったと話すシャンシャン。子どもの頃はどんなアニメが好きだったのでしょうか?
シャンシャン:「しゅごキャラ!」と「夢色パティシエール」。この2つは大好きで何度も観た。これは本当に本当に私のお気に入りなの。たしか小学校3年生くらいのときだったと思う。
世界における日本語人気は?
メアリーによると、大学で日本語を学んでいる人が、日本語を学び始めるきっかけとして「アニメ」を挙げるのは2番目に多いのだそう。ちなみに最も多い動機は、中国人留学生が「同じ漢字を使っている言語なので、学びやすいから」というもの。
2016年のデータでは、アメリカの大学における語学授業での日本語人気は5位。2010年頃を期に伸びているため、アニメブームの影響は間違いないとシェリーは推測します。一方で、ここ数年はK-POPブームもあり、韓国語の人気が急上昇中とも。
「Bestcollege.com」によると、「将来有望な外国語ランキング」ではスペイン語、中国語に次いで日本語がランクイン。その理由について、シェリーは「日本の経済規模の大きさから、自動車やファイナンス、テクノロジー、ゲームやエレクトロニクス分野で、日本語と英語が話せるグローバルな人材が求められているから」だと解説しました。