TOKYO FMで放送中のワイド番組「ON THE PLANET」。水曜パーソナリティの綿谷エリナが担当するコーナー「ON THE PLANET NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どうした性質や特徴があるのかなどについて、ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。
10月20日(水)放送・配信のテーマは、「TikTokの人気コンテンツをアメリカZ世代と検証」。NY在住のZ世代の若者たちと一緒に、世界的な人気を誇るSNS・TikTokの人気についてトークしました。
TikTok動画が企業を動かした?
若い世代を中心に絶大な人気を誇るショートビデオプラットフォームのTikTok。1ヵ月あたりのアクティブユーザーは10億人で、昨年7月から45パーセントも増加しています。2021年8月にはゲームアプリ以外でのアプリダウンロード数が1位と、その勢いは増すばかり。
モデレーターでZ世代評論家のシェリーさんは先日、TikTokで「#dumpsterdiving」(ゴミ箱あさり)のハッシュタグをつけた動画が拡散されたと切り出します。とある女性がブランド店・COACHの外に置いてあるゴミ箱を漁ったところ、ハサミで切り込みを入れられた新品のバッグが出てきたという動画をTikTokにアップ。
「売れ残りの商品を捨てたいが、転売されるのは防ぎたい」というブランド側の意図が拡散されてしまったわけですが、「サステナブルを謳っている企業がすることではない」と、炎上騒ぎになってしまいました。
「動画が拡散された翌週に、COACHは『今後はこのような処分の仕方をしません』と発表したんです」とシェリーさんが解説すると、パーソナリティの綿谷は「TikTokって、めちゃくちゃ勢いがあるんですね」と感心した様子でコメントしました。
なぜTikTokが支持を集めるのか?
以前は「ダンス」や「かわいい動物たち」のような、カジュアルな動画が多く投稿されていたTikTokですが、現在では前述の「#dumpsterdiving」のような告発動画など、社会問題について取り扱ったものも増えてきているそう。なぜTikTokがここまで若者の支持を集めるのか、「NY Future Lab」のメアリー、ヒカル、ミクアの3人に聞きました。
メアリー:短いビデオを投稿するので、そんなに時間や手間を費やさなくて済むからじゃないかな。あとはアルゴリズムがいいので、どんなに短いビデオでも日の目を見ることができる。コロナ禍で時間があるとき、暇をつぶすには最高のアプリだったんじゃないかと思う。
ミクア:前は音楽とかダンスとかが中心で、子どもっぽいアプリなのかと思っていたけど、今は大人が観られるようなコンテンツがたくさん上がってくるようになった。
シェリーは最近の動画の傾向について「スポーツ、クッキング、ビジネス、政治、社会問題など、あらゆるコンテンツに広がって進化している」と印象を語り、アプリの利用年齢層も上がってきているとコメント。
なかでも人気コンテンツのひとつが、「クリエイティブなクッキングビデオ」とのこと。ミクアは実際にこうした動画のレシピを真似してクッキングをしているそう。
ミクア:私が好きなのはモリービアンというTikTokerで、レシピは最高。例えば人気のチキンサンドのお店と同じ味のチキンサンドを作ったり、丸ごとのポテトに切れ目を入れてチーズやいろいろな具材を挟んだりするの。
ヒカル:一時期、日本でも話題になっていたアコーディオンポテトっていうのかな?
ミクア:もう1人大好きなのは、ニュートンというアジア系のTikToker。彼はかつてトレーラー暮らしをしていて、小さなポータブルレンジとオーブントースターだけで素晴らしい料理を作ることができるの。今はフォロワーが190万人もいて、お金をたくさん稼いでいるから、トレーラーを出てお母さんと一緒に素敵なアパートに引っ越したの。TikTokが彼の人生を完全に変えたね。
「TikTokで有名になって、ビッグになって、お母さんと一緒に引っ越して……というストーリーもいいですよね」とシェリーさん。最近ではTikTokでの名声を利用して、ホームレス救済などの慈善活動をする人もいるのだそう。
「今はInstagram、Snapchatに次ぐ3番手ですが、従来のSNSの人気に陰りが出てきているなかで、TikTok人気はまだまだ上がりそうですね」と、今後もTikTok人気が続きそうだと予測しました。