Metaの新SNS「Threads」はTwitterに取って代わるか!?アメリカZ世代が思うSNSの未来とは?

「Twitter VS Threads」。Meta(旧:Facebook社)がリリースした新しいSNS「Threads(スレッズ)」について、「NY Future Lab」のメンバーが議論していきました。

「Twitter VS Threads」。Meta(旧:Facebook社)がリリースした新しいSNS「Threads(スレッズ)」について、「NY Future Lab」のメンバーが議論していきました。

interfmで放送中の「sensor」(パーソナリティ:Cartoon)。「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

7月14日(金)のテーマは、「Twitter VS Threads」。Meta(旧:Facebook社)がリリースした新しいSNS「Threads(スレッズ)」について、「NY Future Lab」のメンバーが議論していきました。

新たなSNS「Threads」誕生!

2023年7月6日(現地時間)にリリースされ、日本でも大きな話題となったThreads。InstagramやFacebookを運営するMetaが手がけた新たなSNSで、リリースから24時間で3,000万人のユーザーを獲得し、サービス開始から5日でユーザー数は1億人を突破しました。

ThreadsはTwitterそっくりのインターフェースで、Instagramとは違い文章でコミュニケーションを取ることがメインのSNSです。そのため「Twitterに取って代わるSNSになるのでは?」という憶測まで出ています。

ラボのメンバーは、Threadsのリリースをどのように受け止めたのでしょうか?

ミクア:いろいろな人が新しいアカウントのリンクを(他のSNSで)投稿し始めたのを見て、Threadsの存在を知った。「これ、なんだろう?」と思ってクリックしてみたら、Twitterによく似ていたので、「あ、これが(Metaがリリースした)Twitterを真似た新しいサービスか」とわかったの。

アプリをダウンロードしてみたら、Instagramから自分の情報が全部取り込めるようになっているので、(アカウント作成が)とても簡単だった。インスタでフォローしている人のアカウントも自動的にフォローできる機能が便利だと思った。

メアリー:私は政治関係者をたくさんSNSでフォローしていて、彼らはみんなイーロン・マスクが大嫌いなのね。それで、彼らが「新しいThreadsがTwitterのいいライバルになるといいね」なんて話していて、それでThreadsの存在を知った。YouTubeでフォローしている人も、けっこう使い始めているみたい。

シェリー:みんなは自分でも使おうと思う?

ノエ:多分ね。僕はTwitterをやりたいと思っていたんだけど、どのソーシャルメディアも、使い始めて軌道に乗るまでが大変じゃない? もちろん使い方も学ばなければいけないし、面白い投稿をする人を探して、ネットワークを作らなければならない。でもThreadsならインスタで作ったネットワークをそのまま使えるから、面白い投稿も探しやすいかなと思って。

ミクア:私はTwitterと同じようにThreadsも使うと思う。Twitterでも自分の意見などの投稿はしないから、Threadsでもしないつもり。

ノエ:ちょっと怖いことを考えたんだけど、SNSは自分の発言が記録に残るでしょう。写真なら説明しなければ、パッと見てなんだかわからないけれど、言葉で表現したらすぐにわかってしまう。

例えば「トランプが大嫌い」って今日書いたとして、彼がもし数年後にアメリカの独裁者になったりしたらどうする? アメリカは何をするかわからない国だからね。そう考えると怖いね。 「InstagramとFacebookを合わせ、世界に30億人以上ものユーザーがいるのがMetaの強み」と話す、モデレーターでZ世代評論家のシェリー。Instagramのアカウントを持っていれば、フォローリストなどをそのまま引き継いでスタートできるため、新しいSNSを始めたとき特有の設定の煩わしさがないのが利点だともコメントしました。

ThreadsはTwitterに取って代わるか?

Threadsがここまで話題になっている理由の1つとして挙げられるのが、「Z世代のイーロン・マスク嫌い」。MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグもZ世代に好かれているわけではありませんが、現在のアメリカではイーロンへの好感度が急激に下がっています。

特にイーロンがTwitterを買収した2022年10月以降、Twitterの評判は急降下。個人ユーザーが「認証バッジ」を手にするための課金システムを作るなど、サービス内容を次々と変えたほか、従業員の8割を削減し、違法な投稿内容や誹謗中傷を取り締まるコンテンツモデレーションチームを廃止したことで、悪質な投稿が削除されにくくなりました。

永久凍結されていたトランプ元大統領のアカウントを復活させたケースなどもあり、広告収入が激減したと言われています。

イーロンとザッカーバーグについて、ラボのメンバーはどのような印象を抱いているのでしょうか?

メアリー:ザッカーバーグは人間味に欠けるけど、くだらない意見を表だって言わないから、そこまで嫌われないんじゃないかな。それに比べて、イーロン・マスクが嫌われるのは、身勝手で物議を醸す意見を発信しているからだと思う。

さらに彼には大きなファン層があって、マスクが何を言ってもどんなことをやっても、彼らはそれを受け入れる。ザッカーバーグはそういうこともないよね。

ミクア:私は2人とも、正直どうでもいい。気にしていないわ。

シャンシャン:私も。彼らに何かされたわけでもないからね。

ノエ:そうかな。TwitterでもFacebookでもInstagramでも、僕らが目にする投稿などのコンテンツ、広告など全ては、彼らが作り出したアルゴリズムに導かれているよね。

つまり、僕たちが受け取るもの、学ぶこと、コミュニケーションも、全部彼らの統制を受けていることになるんだよ。AppleとかGoogleなんかの会社は巨万の富を利用して、世界のあらゆる人々に影響を与えている。いつか政府に取って代わるかもしれないよ。

メアリー:そうなってほしくはないね。

シェリー:ThreadsはTwitterに取って代わるSNSになると思う?

シャンシャン:ThreadsはTwitterに取って代わるとは思わない。Twitterはもうずっと長いこと存在して、しっかりしたファンベースが確立しているから。人って1箇所にずっといると、そこが居心地良くなって離れることはできなくなると思う。

ミクア:私もThreadsはTwitterに取って代わらないと思う。私がThreadsでフォローしている人は、Twitter上にはいないからね。私がTwitterでフォローしている人は、セレブとか実際には知らない人ばかり。でもThreadsはインスタでフォローしている、実際に知っている人をフォローすることになるから。そういう棲み分けがされていると思う。

メアリー:取って代わってほしいけど、多分そうはならないと思う。少なくともThreadsには、Twitterのいいライバルになってほしい。競争は常に良いことだから。

評判も売り上げも落ちたTwitterを狙い撃ちするようにリリースされたThreads。Twitterはアプリを真似た疑いでThreadsを訴えると宣言していますが、イーロンとザッカーバーグの反目は個人的にも続いており、SNS上のえげつない言葉の応酬だけではなく、イーロンがザッカーバーグに対してボクシングの試合の挑戦状を叩きつけるなど、状況はエスカレートしています。

シェリーは「これがまたThreadsの話題作りになってしまっているんですよね。こんなに影響力のある人たちがこんなことをしていていいんでしょうか……(笑)」と、苦笑交じりでコメント。

ThreadsとTwitterの未来について、シェリーは「そもそもこの2つはユーザーが全く違います。(Threadsの母体である)Instagramは写真で自分の美学を表現するものですし、Twitterは政治的な内容が中心で、なかには毒のある内容もあります。Twitterはそうした投稿を嫌う若者が寄り付かなかったという経緯もあり、ThreadsとTwitterは完全にユーザーが棲み分けられる可能性がありそうです」と、今後を予測しました。