ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。
7月2日(水)のテーマは「あの世界的ヒット商品にも日本のガチャ要素が! ソニーエンジェルからラブブまで 超人気のブラインド・ボックス(目隠しグッズ)をNYのZ世代が徹底解剖①」。アメリカでも人気の“ガチャ商法”について、ラボのメンバーが語り合いました。
アメリカで人気の「ブラインド・ボックス・トイ」
アメリカではこの夏、中身が見えない状態で販売されている「ブラインド・ボックス・トイ」のおもちゃが大流行しています。おもちゃと言っても、購入者は子どもではなく主にZ世代。いわゆるキダルト(※)です。
※「子ども(kid)+大人(adult)」の造語。従来子ども向けに作られたコンテンツやグッズなどを楽しむ趣味を持った大人を指す。
なかでも注目を集めているのは、「ソニーエンジェル」と呼ばれる小さなプラスチックの人形、そして今爆発的にブレイクしているのが、「LABUBU(ラブブ)」という小さなぬいぐるみの2つ。初代ラブブのぬいぐるみが、中国のオークションで2000万円以上の高値で落札されたことも世界的なニュースになりました。
ラボの新メンバー、アニーとテオは、ニューヨークにおける日本のポップカルチャーの中心的ショップ「紀伊國屋書店」で働いています。アメリカ人のお客さんで常に大混雑の紀伊國屋で、ブラインド・ボックス・トイがどれほど売れているのかについて、テオはこう話します。
テオ:お店は3フロアに分かれていて、一番上の階はマンガ、アニメとその関連グッズを売っていて、1階は英語の本が中心。ソニーエンジェルとかスミスキーみたいなブラインド・ボックス系の商品も販売していて、僕はそれを担当しているよ。正直、本よりも全然人気があると思う。めちゃくちゃ売れているし、毎日のように問い合わせがあるんだ。
ソニーエンジェルは、ちっちゃい赤ちゃんみたいなおもちゃで、キユーピーマヨネーズのマスコットにちょっと似ているんだよね。SNS、特にTikTokでのマーケティング展開がすごい。しかも、シリーズがいろいろあって、開けてみるまで中身がわからないブラインド・ボックス形式なので、欲しいものが出なかったらまた買いに来る……みたいな感じ。
ソニーエンジェルはここ2~3年で爆発的に人気が出たように思えるけれど、実はもう10年以上前からあるシリーズで、15周年記念の特別なソニーエンジェルのボックスもめちゃくちゃ売れているよ。お店にかかってくる電話の半分くらいは「ソニーエンジェルありますか?」という問い合わせで、「昨日入荷したんですけど、すぐに完売しちゃいました」って答えるのが定番なんだ。
かわいらしい赤ちゃんを模したソニーエンジェルは、2004年に日本で生まれたマスコットキャラクター。中身が分からない状態のブラインド・ボックス形式で、いわゆる“ガチャ商法”で販売されており、箱を開けるまで何が出るか分からないドキドキ感も人気の秘密です。
BLACKPINK・LISAもお気に入り!? 中国発の「ラブブ」
ニューヨークの紀伊國屋書店でも売り切れが続出するほどのソニーエンジェルですが、そんなソニーエンジェルを超える人気を誇るキャラクターが、中国生まれのキャラクター・ラブブ。ラボのメンバーはその人気をこう話します。
メアリー:今はやっぱりラブブが一番アツい気がする。もし紀伊國屋でラブブを売り始めたら……もうヤバいことになるよね。
テオ:ラブブはPOP MARTっていう会社が独占契約しているんだよね。本当はうちでも取り扱いたいんだけど、POP MARTがラブブの販売権を持っているから、取り扱えないんだ。もし販売できるようになったら、今以上に店内がカオスになると思う(笑)。
実際に毎日5〜10回は「ラブブは置いていますか?」って電話がかかってくるし。最近は「ソニーエンジェルを買おう」っていう空気から、「とにかくラブブが欲しい」っていう感じに流れが変わってきている気がする。
シェリー:私は、あんまりかわいいとは思わないんだけどね……。
アニー:「ちょいブサカワ」って感じで好きな人もいるし、「まあまあかわいいけど、なんでこんなに流行っているのか分からない」って人もいる。あと、はっきり「これ普通にブサイクじゃん」って言う人もいるね。
テオ:明らかに「ブサカワ」だね。
メアリー:あれって完全に「ブサカワ」だよね(笑)。でもラブブの人気に火がついたのって、たしかBLACKPINKのLISAが好きって公言したあたりからだったと思う。
彼女にそこまで影響力あるのかは分からないけれど、少なくとも私の周りでは「LISAが好きって言っていたから」っていう理由で流行りだした感じ。
BLACKPINKのLISAや、リアーナもコレクションしているというラブブ。メンバーの言葉を借りれば“ブサカワ”で素朴な魅力がありますが、やはり人気の理由は、買ってみなければ中身が分からないというギャンブル要素です。アメリカでもさまざまなところでブラインド・ボックス形式(=ガチャ商法)の商品販売が増えており、これの是非についてメンバーはこう話します。
テオ:ガチャって、気づいたらいろんなところに入り込んでいるよね。コロナの時期に「原神」ってゲームがめっちゃ流行って、あれもガチャ要素が強かったんだけど、ソニーエンジェルとかスミスキーにも似た感じがあると思う。
箱の裏を見ると、どのキャラがどれくらいの確率で入っているか書いてあるんだ。シリーズによっては8〜10種類のキャラがいて、欲しいものが当たる確率は「1/16」とか。さらにシークレットを当てられる確率は「1/144」とか、そういう感じ。
正直、ガチャがここまで流行るのはどうなんだろうって思うときもあるけど、やっぱりみんな好きだよね。箱を開けて「うわ、レアが当たった!」ってなるあの感じ、やっぱりテンションが上がるし、楽しいもんね。
ラブブはガチャ要素に、大人が欲しくなるノスタルジックなキダルト・トイの掛け合わせで爆発的なヒットになりました。そのおかげでPOP MARTのCEO は38歳にして推定資産3兆円と、中国で10位にランクインするビリオネアにまでなったと報じられています。
シェリーは、次回以降もアメリカで広がりを見せているブラインド・ボックス・トイについて特集すると話しつつ、話題を締めくくりました。






